建物の建替承諾
借地上の建物の増改築の手続
1.借主からの承諾依頼
借主が借地上の建物の建替え(改築)、増築、大規模修繕など(以下では、まとめて「増改築」といいます。)をする場合には、事前に貸主の承諾を要する旨の契約がされていることが通常です。
そのため、借主は増改築に先立ち、貸主に承諾を求めてきます。
なお、木造の建物(非堅固建物)を鉄筋コンクリートの建物(堅固建物)へと建て替えるという場合には、増改築の承諾のほかに、「借地条件の変更」についても承諾が求められるケースもあります。
これに対し、貸主としては、建築計画などの確認を行い、譲渡を承諾するかどうかの検討をします。
貸主が承諾をする際には、「承諾料(名義書換料)」を支払ってもらうのが一般的です。承諾の要否の検討と共に、借主に求める承諾料の金額についても検討することになります。
2.借地非訟手続(増改築許可申立事件)
話し合いで解決に至らない場合、借主は、貸主の承諾に代わる許可の裁判を申し立てることができます(借地借家法17条2項)。
手続の流れは、以下のとおりです。
- 申立て
- 申立書の郵送
- 第1回審問期日
(必要に応じて続行)
- 鑑定委員会による現地調査
- 鑑定委員会の意見書提出
- 最終審問期日
(状況に応じて和解を試みる)
- 決定
鑑定委員会による意見などを踏まえ、裁判所が、「増改築を認めても貸主に不利となるおそれがない」と判断した場合には、貸主の承諾に代わる許可を出します。
その際、当事者間の利益調整のため、地代の値上げ等の借地条件の変更をしたり、一定の財産給付(承諾料)を借主側に命じることができるとされています。殆どのケースでは財産給付(承諾料)の支払いが命じられています。
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